塗装できない屋根材”ザルフグラッサ”について解説
2023.02.21 (Tue) 更新
皆様こんにちは!
入間市・狭山市・飯能市・所沢市に地域密着の屋根リフォーム専門店 ナタリールーフです。
地域の皆様に、屋根リフォームで失敗しないために屋根に関する基礎知識をご紹介させていただきます。
屋根リフォームには、屋根塗装や屋根葺き替え工事、屋根カバー工法などがありますが、
屋根材の中には、塗装できない屋根材が存在します。
~~塗装できない屋根材”ザルフグラッサ“とは!?~~
弊社のブログでも解説させて頂いている、1990年から2007年前後までに製造・販売されていた塗装できないノンアスベスト屋根材で、有名なのは、ニチハの”パミール”やクボタ(現:ケイミュー)の”コロニアルNEO”がありますが、今回は、塗装できない屋根材”ザルフグラッサ”についてお話しさせていただきます。
目次
↓ザルフグラッサの施工事例は、こちら
ザルフグラッサとは
ザルフグラッサは、同じく塗装出来ない屋根材のコロニアルNEO同じクボタ(現:ケイミュー)から製造・販売されていたスレート屋根材です。
正式には、1997年~2006まで同じくクボタ(現:ケイミュー)から製造・販売されていた”ザルフ”の高耐候仕様として販売されていたのが”ザルフグラッサ”です。形状もほぼ一緒なので、現在は、ザルフかザルフグラッサのどちらかで一緒くたに呼ばれております。
”ザルフ””ザルフグラッサ”共に、2001年~2006年前後に製造・販売されたものは、アスベストを使用しないノンアスベスト屋根材になっており、施工後8〜10年経つにつれヒビ割れ・欠け・割れといった症状がおこります。劣化が進むとパミールのような層状剥離も稀におこります。
ザルフグラッサ以外にも、1990年後半〜2004年頃までに製造・施工された屋根材のほとんどは、アスベストの健康被害を危惧し、2004年に定められた規制をクリアする為に、アスベストを使用せずに製造・販売されたノンアスベスト屋根材は、急遽アスベストを使用しなくなった為、どのメーカーの屋根材も耐久性に乏しく、8年~10年くらいすると不具合が多く報告されはじめ、生産されなくなりました。
↓パミールについてのブログは、こちら
ザルフグラッサの特徴
このようにノンアスベストのザルフグラッサは、経年と共に劣化が進行していきます。
主な症状は、これらです。
ヒビ割れ
耐久性に乏しく非常に脆いザルフグラッサは、経年劣化と共に、ヒビ割れが発生します。
割れ
ヒビ割れが進行していくと、そのまま割れていきます。
欠落
割れてしまった基材は、欠落してしまいます。
屋根から落ちたことで、初めて屋根材の劣化に気づくケースが非常に多いです。
層状剥離
層状剥離とは、基材がミルフィーユ状に層ごとに剥離していく症状です。
この症状は、同じノンアスベスト屋根材で有名なニチハのパミールに多く見られる症状です。
パミールは、この症状が全体的に現れるのですが、ザルフグラッサでは、一部だけ層状剥離のような症状になることがあります。
いずれの症状も放置しておけば、劣化は日に日に進行してゆき、いずれは、雨漏れに繋がります。
屋根材の下には、二次防水であるルーフィング(防水紙)がありますので、すぐに雨漏りするわけではありません。
ですが、屋根の防水上、非常に良くない状態ですし、なにより落下の危険がありますので、発見された場合は、すぐにメンテナンスをお願いしましょう!
ザルフグラッサの見分け方
ザルフグラッサは、コロニアルNEOとよく似ています。
双方、ノンアスベスト屋根材なので、いずれにせよ塗装することが出来ず、メンテナンス方法も一緒です。なので見分ける必要はないのですが、念のため見分け方の特徴をご説明します。
お家を購入した際の、図面があれば使用した屋根材が記載されていることもありますので、一度ご確認ください。
大きな特徴として凹み箇所の角が、斜めの形状になっています。
ザルフグラッサ
コロニアルNEOの場合
コロニアルグラッサの場合
どうでしょうか。微妙な違いなので、遠くからだと同じように見えてしまいますよね。
基本的な考え方としては、ヒビ割れ・欠落が複数あれば、ノンアスベスト屋根材です。
塗装したばかりなのに割れてきてしまう、剥がれてきてしまうなどの症状があるのもノンアスベスト屋根材です。
気になる場合は、お近くの専門業者に診てもらいましょう。
ザルフグラッサは、塗装出来るのか
屋根に精通していない塗装業者が、「多少のヒビ割れは補修できるので、塗装出来ますよ」などと誤った施工方法を勧めてくることがありますが、ザルフグラッサは、塗装出来ない屋根材と題している通り塗装は、出来ません!
出来ないというよりは、塗装しても意味がないです。
そもそも、スレート材は、セメントを主原料にしている為、基材そのものに防水性がありません。スレートは、基材の上に防水塗膜がコーティングしてあり、その防水塗膜が劣化してしまうと基材自体の劣化や苔の発生に繋がります。
ザルフグラッサの場合、基材自体の作りに問題があり、経年によりどんどんヒビ割れ・欠けが発生してしまいます。
塗装の塗膜は、3回塗りをしても平均膜厚、0.1mm(100ミクロン)です。身近なものでいえば、郵便切手・一万円札、人の髪の毛の太さに近い厚みになります。
ザルフグラッサに塗装をしたところで、一時的に見栄えは、良くなるかもしれませんが、塗膜の劣化よりも早く基材が、割れだしてしまいます。
なによりも、塗装する為に職人が”ザルフグラッサ”の上を歩くと割れてしまいます。
どんなに慎重に施工しようとも、耐久性に乏しいザルフグラッサは、成人男性の体重で乗っかれば、どんどん割れてしまいます。屋根のメンテナンスどころか、症状を悪化させてしまいますので、絶対に塗装は、しないでください!
ザルフグラッサのメンテナンス方法
塗装出来ない、ザルフグラッサですが、メンテナンス方法は、大きく分けて2種類です。
屋根葺き替え工事
葺き替えとは、既存スレートを撤去して、新しい屋根材で葺き替えるメンテナンス方法です。下地から補修・点検できるため、費用は嵩みますが屋根の寿命を大きく伸ばすことができます。
ザルフグラッサは、塗装や補修などができないので、屋根材を新しく交換するのが、最善の策です。
様々な屋根材が各メーカーから販売されていますが、スレートへの葺き替えは、おすすめしません。スレート材は、柔軟性がない屋根材なので、経年により下地に歪みや反りなどがあった場合に不具合が起きやすいです。
↓様々な屋根材について詳しく解説しています。
屋根カバー工法
屋根カバー工法は既存の屋根材の上に新しく屋根材をかぶせるメンテナンス方法です。工期が短く、廃材が少ない為、葺き替えに比べると工事費用が安く抑えられる特徴があります。
ザルフグラッサのメンテナンスをされる方のほとんどは、屋根カバー工法です。
屋根材を被せる前に、新規のルーフィング(防水紙)を貼るので、屋根防水が二重になるメリットもあります。
デメリットとして、既存の屋根材を撤去せずに新しいルーフィング・屋根材を被せるので、屋根の重量が増してしまいますが、軽量の金属屋根材を使用することで、重さによるデメリットは、ある程度軽減されます。
↓屋根カバー工法について詳しく解説しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
現在、ザルフグラッサ以外にも多数の塗装出来ない(塗装しては、いけない)屋根材が多くの住宅の屋根材としていまだに使われています。
これらの屋根材は、リコール対象になっているものは、少なく、製品保証も10年程なので、自己負担で改修工事を行わなければなりません。
非常に心苦しいですが、早い段階で葺き替えるか、カバー工法でのメンテナンスの必要があります。
ですが、そもそもスレート屋根は、塗装できるのは、2回から3回までが良いとされています。不具合があった時期のスレートではなくても、いずれ葺き替え工事やカバー工法をしなければならなくなるのです。
現在カバー工法で主流となっている、ガルバリウム鋼板の屋根材は、非常に軽く、30年以上の耐久性があります。屋根の全面回収が早いか遅いかの問題ですので、お家の屋根がザルフグラッサであれば早い段階で、メンテナンスしてしまいましょう。
↓ザルフグラッサの施工事例は、こちら
本日は塗装できない屋根材“ザルフグラッサ”についてご紹介させていただきました。
お家の屋根材が塗装できない屋根、コロニアルNEOかどうかは経験豊富な屋根工事業者であれば見極めることができます。
契約後に施工に関してトラブルが発生してしまった、屋根材の種類が分からず補修方法を決めかねている、お住いの屋根がパミールのような塗装できない屋根材なのか不安といった方や、ここ数十年屋根のメンテナンスを行ったことのない方はぜひ一度ナタリールーフの無料屋根点検をご活用ください。
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